火災保険に加入したいと思ったとき、どこでどうやって入ればいいのでしょうか。
他の保険と同じく、保険会社で直接契約する方法と、保険代理店を利用する方法とがありますが、他の保険とはやや様子が違う面もあります。詳しく見ていきましょう。
火災保険の直販は実は少ない
保険商品を販売しているのは保険会社です。それとは別に、保険会社の商品を紹介したり販売したりする専門のショップがあることはご存じでしょう。いわゆる保険代理店です。
生命保険が、保険会社の社員が営業して回っているイメージが強いのに対して、損害保険は、伝統的に代理店を通じた販売が大半を占めます。実に全体の9割が代理店による販売だとされています。(出典:日本損害保険協会 日本の損害保険ファクトブック2020)
それでも最近は、自動車保険を中心に直販を行う損保会社も増えてきました。いわゆるダイレクト型保険です。ですが火災保険に関してはまだまだ代理店が優勢です。
最近になって火災保険にも直販があらわれてきたのは、やはりインターネット通販の存在が大きいでしょう。今後は、ネットから見積もりや申込ができる直販型の火災保険も増えていくと思われます。
保険会社の直販で入るメリットは、ネット通販を利用すれば申込などが簡単かつスピーディーに行えるという点にあります。デメリットは、商品内容を自分でよく理解して選ぶ必要があります。
火災保険の代理店は不動産業・金融機関などが中心
保険代理店は大きく2つに分けられます。
1つは専業代理店やプロ代理店と呼ばれる、保険販売そのものが主たる事業である会社です。
保険ショップなどがこれにあたり、最近は、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店もたくさんありますが、従来は特定の保険会社の販売代行を行うタイプが中心でした。現在、火災保険を扱うプロ代理店はどちらの形もたくさんあります。
代理店にはもう1つ、兼業代理店と呼ばれるものがあり、本来保険販売を主事業とはしていないけれども、業務の傍らで保険を販売する会社を言います。
火災保険の場合、兼業代理店として機能しているのは、不動産業者と金融機関です。
不動産業者はおもに賃貸に入居したとき、金融機関は住宅ローンを利用したときに、合わせて火災保険を案内し、販売するという形態になります。
実際、今、火災保険に入っている人に、いつどうやって入ったか思い起こしてもらえば、「不動産屋さんか銀行に言われて入った」という人が多いはずです。
保険代理店から入るメリットは、保険商品の補償内容について事前に詳しく相談できること、その後の管理や手続きなどをまとめて任せることができる点などがあります。また、様々な商品を取り扱う乗合代理店の場合、複数の商品から比較して選べることもメリットになります。
抑えておきたいのは、賃貸に入居するときや住宅ローンを利用するとき、不動産業者や金融機関から指定された保険商品に加入する義務はないということです。(※ただし、住宅ローンによっては、ローン利用の条件として、一定の要件を満たす火災保険に入らなくてはならない場合があります。)
保険代理店を通じて入る場合も、結局は、保険の内容を最低限理解しておくことは必須になります。そのうえで、自分が一番良いと思った商品に、都合の良い方法で加入するのがいいでしょう。
火災保険のおすすめの入り方まとめ
火災保険に入る際は、複数の商品について調べ、火災保険の知識を持ったうえで、以下の手順で考えてみましょう。
- 不動産業者や金融機関から勧められた商品があって、それが良いと思えば加入してよい。
- 自分で選んだ商品がネットなどで直販されており、簡単に手続きしたいときはネット通販を利用する。
- 自分で選んだ商品が直販されていないか、代理店に相談したり、その後のサポートも任せたりしたいと思ったら、代理店を利用する。
なお、保険代理店は、最近ではネットで探すこともできますし、目当ての商品の保険会社に問い合わせれば、自社商品を扱う最寄りの代理店を紹介してもらうことができます。